中国自動車大手が「インド戦略」を転換した事情 上汽集団、現地子会社をインド企業との合弁に

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上汽集団はインドの工場でMGブランドの5車種を現地生産している(写真はMGインディアのウェブサイトより)

中国の国有自動車最大手の上海汽車集団(上汽集団)は11月30日、同社のインド子会社のMGモーター・インディア(MGインディア)に戦略投資家の出資を受け入れ、合弁会社化すると発表した。

インドの大手コングロマリット(複合企業)のJSWグループがMGインディアの第3者割当増資を引き受け、増資後の発行済株式の35%を取得する。この取引に関して、上汽集団とJSWはロンドンで戦略提携契約に署名した。ただし、計画の実施にはインドの関係当局の承認が必要になる。

上汽集団は2017年、アメリカ自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)がインドのグジャラート州に保有していた工場を32億7500万元(約681億円)で買収し、MGインディアを設立した。工場の改修工事を経て2019年から現地生産を開始し、現在はEV(電気自動車)2車種を含む5車種を生産・販売している。

安定経営の確保が課題

MGインディアの2023年1月から10月までの販売台数は5万2000台と、前年同期比3割増加。インド市場の自動車メーカー別の販売台数ランキングで第8位、EVに限れば第2位につけている。

だが、インド政府が中国系企業への締め付けを強化するなか、MGインディアは安定した経営の確保という課題を抱えていた。

2023年6月には、現地メディアが「上汽集団はMGインディアの経営権を失うかもしれない」と報道。それに対して、MGインディアのCFO(最高財務責任者)を務める周江氏は、「中国企業が単独で対インド投資を拡大するのは難しくなるだろう。上汽集団としては、インド現地の投資家と手を組みたい」とコメントしていた経緯がある。

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