歌舞伎町で1泊10万円「高級ホテル」は成立するか? 68歳総支配人が説く国内ホテルの「生き残り策」

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――14年ぶりの日本ですが、ホテル業界はどう変わりましたか。

日本政府がインバウンド集客の政策を推進しており、本当に増えた。ビジネスはやりやすくなった。

一方で、外資系ホテルの従業員はブランドにおごってはいけない。ブランドが増えてきている一方で、自社のヒストリーや良さを伝えられる人が少なくなってきている。それを知らずに、自分はどのホテルにいたとアピールをする人もいる。

売り上げではなく、利益に対して厳しく

――日本のホテルに勝ち筋はありますか。

売り上げではなくて、利益に対して厳しくならないといけない。1000万円の売り上げがあっても、900万円経費をかけたら商売にならない。どうやって質を維持しながら利益を上げていくか、真剣に考えないと外資系には負けてしまう。お客様を重視するのはいいが、過剰な部分があるのではないか。

ホテル以外には劇場や映画館などエンタメ施設が入居している東急歌舞伎町タワー(編集部撮影)

利益率の高い宿泊を重要視し、ブランドを保つために料飲(レストランや宴会で提供される食事)部門にも力を入れることが必要だ。宿泊で稼ぐためにはMICE(国際会議)などを取り込まないといけない。その際に必要になるのが、料飲部門だ。

日本の料飲部門は質がすごく良くて、味は外資系に負けていない。だが、PR力は劣っている。日本のホテルに足りないのはクリエイティビティとプレゼンテーションだ。

日本のホテルはガラパゴス化している側面がある。ホテリエたちはもっと海外に行って、いろいろな人間と仕事をして経験を積んでほしい。

星出 遼平 東洋経済 記者

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ほしで・りょうへい / Ryohei Hoshide

ホテル・航空・旅行代理店など観光業界の記者。日用品・化粧品・ドラッグストア・薬局の取材を経て、現担当に。最近の趣味はマラソンと都内ホテルのレストランを巡ること。

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