歌舞伎町で1泊10万円「高級ホテル」は成立するか? 68歳総支配人が説く国内ホテルの「生き残り策」

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2000年から2008年までグランドハイアット福岡の総支配人をしており、近くには歓楽街である中洲があった。商業施設に併設しているグランドハイアット福岡は横に長く、東急歌舞伎町タワーに入居している2ホテルは縦に長い。

横か縦かの違いで似たような環境だった。総支配人のオファーを受けたとき、違和感や恐怖感はなかった。

にしかわ・かつし/1979年日本大学卒業、旅行会社に入社後、1983年にシャングリ・ラホテル入社、2000年以降、ハイアット系列ホテルの総支配人を務める。2023年から現職。業界では「ニックさん」の愛称で知られる(撮影:尾形文繁)

ベルスターの単価は10万円を超えている

――開業後の手応えは?

20〜38階に入居しているグルーヴの稼働率は7〜8割程度、平均客室単価は3万5000円だ。客室単価は想定より高くて驚いている。宿泊客の85%以上がインバウンドとなっている。アジア圏だけではなくて、欧米人もいて幅広い宿泊客が利用している。

39〜47階のベルスターも稼働率が上がってきた。足元では40〜50%くらいで、客室単価は10万円を超えている。宿泊客の7割くらいは外国人で、3割が日本人となっている。海外の宿泊客は1週間以上などの連泊が多く、日本の宿泊客は1〜2泊の人が多い。

東京には外資系や国内系の歴史のあるラグジュアリーホテルが多い。そういったホテルと比べると、開業したばかりで知名度がない。だが、パンパシフィックホテルズグループと提携(ソフトブランド契約を締結)している。パンパシのネットワークを利用して、ブランドを崩さないようにしつつ、認知を獲得していきたい。

ビジネスミックスでは海外の宿泊客が多い。今後の販売戦略としては、海外営業などを行っていく。海外のトレードショー(見本市)などへ営業部隊が行っている。ベルスターは海外の個人旅行客、グルーヴは個人客に加えて団体客も取っていきたい。OTA(オンライン旅行予約サイト)からの予約も多い。

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