注目が集まるラガルドECB総裁の「メッセージ」 投資家の間で高まる2024年の「利下げ」観測

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  • ECB追加利上げ可能性低いとシュナーベル氏-利下げ観測強まる
  • ECB、2024年に利下げの問題を検討する可能性-仏中銀総裁

当局者らはインフレが再加速する可能性があるとも警告しているが、11月のデータとこれらの当局者コメントによって、投資家はより早い、より深い利下げを見込むようになった。

6日にはドイツ銀行が来年の1.5ポイントの緩和を予想し、最初の利下げは6月ではなく4月になると見通しを変更した。ゴールドマン・サックス・グループは先週、早ければ来年4月に利下げがあると予想した。

  • ECB利下げ、ドイツ銀は来年4月に予想前倒し-従来は6月
  • ゴールドマン、ECB利下げ時期予想を前倒し-来年4~6月に

金利見通しの変化に伴う債券相場の上昇で、来週のラガルド総裁の発言の重要性がさらに増やすことになる。米国債を除いたソブリン債の指数は今週、22年4月以来の高水準に達した。

ウニクレディト・グループのチーフエコノミクスアドバイザー、エリック・ニールセン氏は市場の見方のシフトに共感しており、消費者物価の上昇が加速しても長続きはしないとみている。

ニールセン氏は「消費者物価の上昇が加速してもインフレ期待や賃金上昇を後押しすることはないだろう」とした上で、景気低迷は通常、雇用市場の軟化を伴うものであり、それはインフレを促進するものではないと主張した。

  • ECBセンテノ氏、欧州労働市場は急激な落ち込みも-景気低迷なら

ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁のようなタカ派にとって、インフレが再燃する危険性は残っている。ベルギー中銀のウンシュ総裁は、十分に景気抑制的な政策を維持するために再利上げを行う可能性があるとさえ宣言した。

匿名で語った当局者らによれば、来年1-3月(第1四半期)が終わって賃金協定や財政計画の全容が明らかになるまで、全体像ははっきりしない。もう一つ複雑なのは、ECBがバランスシートの圧縮を加速させたい可能性があることだ。

いずれにせよ、ソシエテ・ジェネラルのアナトリー・アネンコフ氏のようなエコノミストは、利下げ観測が高まる中で投資家が油断しているリスクを警告する。

「インフレ率が急速に低下しているという事実に惑わされてはいけない。直線を引くのは危険だ。6カ月以内にアンダーシュートする見通しがうかがえる」という。

その脅威を警戒し、来週の会合で利下げに道を開く度合いが抑えられる可能性が高い。これまでのところ、当局者からの声はそれほど大きな変化を示していない。

ニールセン氏は「当局はいつ見解を変えるだろうか。恐らくマイナスになる第4四半期成長率が発表され、来年第1四半期もインフレ率が予想より素早く低下してまた経済が悪くなった時かもしれない。その時こそ、当局者らは赤面するだろう」との見解を示した。

原題:ECB’s Lagarde Squeezed as Markets Boost 2024 Rate-Cut Bets(抜粋)

--取材協力:Alexander Weber.

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著者:Jana Randow、Aline Oyamada

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