好決算に沸く生保、好環境の陰に潜む死角

超低金利が業界に及ぼすマイナス影響とは

資産運用環境の悪化で、新規契約の保険料は値上げされる可能性も(写真:xiangtao/PIXTA)

伝統的生保にソニー生命を加えた主要生保9社の前期2015年3月期決算が出そろった。

話題を集めたのは、保険料等収入で戦後初めてトップが交代したことだ。第一生命が日本生命を抜いて首位に立った。差がついたのが、銀行の窓口における保険販売だ。第一生命の窓販専門子会社が外貨建ての一時払い貯蓄性保険でヒットを飛ばし、1兆9000億円近い保険料を集めた。

日本生命も手をこまぬいてはいない。児島一裕常務執行役員は「長期にわたって負け続けると、将来の利益や規模に影響しかねない」と首位にこだわる姿勢を明らかにする。7月からは、これまで取り扱ってこなかった豪ドル、ユーロ建ての新商品を投入するほか、買収も視野に窓販専門子会社の設立を検討中だ。

収益力では日生がトップ

収益力を示す指標では、日生がトップを守った。本業のもうけを示す「基礎利益」では、2006年度以来の水準を確保した日生が首位に立ち、最高益を更新した明治安田生命がこれに続いた。

前期決算では、9社中8社が基礎利益を伸ばした。全社で有価証券などの含み益が膨らみ、保険金の支払い余力を示すソルベンシー・マージンが改善した。数字からは、生保各社は好決算、好環境を謳歌しているようにみえる。

ところが、決算数値を子細にみると、また違った側面が浮かんでくる。

基礎利益の内訳は、大きく2つに分けられる。ひとつは、契約にかかる予定利率と実際の運用利回りとの差を表す利差損益(いわゆる順ザヤ、逆ザヤ)、もうひとつは、死亡率等や事業費についての予定と実際の差を表す保険関係損益(危険差益および費差益)だ。

保険関係損益が増えたのは9社中2社のみ。円安によって外国債券のクーポン収入が膨らんだことや、保有する株式で配当が増えたことが、保険関係損益の減少を補って、利益を押し上げたといえそうだ。

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