イオンモールに「商工会議所」が出店した深い理由 東三河ブランド店「豊穣屋」月間売上500万以上

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店内の奥にある冷凍のショーケースに入っているのは、東三河の肉や野菜をふんだんに使った冷凍餃子。コロナ禍の巣ごもり需要ですっかり定着した感があるが、「豊穣屋」で扱う冷凍餃子の1つ「お持ち帰り餃子 社龍(しゃりゅう)」は11年前に中華料理店から持ち帰りの餃子専門店へとリニューアル。地元産の肉と野菜を使っているのはもちろんのこと、ニンニクは店主自らが自社農場で育てたものを使っている。

「きくらげ餃子」(18個入り)1341円。「豊穣屋」の中でも常に売り上げベスト20位以内にランクインする人気商品だ(写真:社龍)

シンプルな「プレーン餃子」のほか、ショーケースの中で異彩を放っていたのが「きくらげ餃子」だ。この商品は、同じ出店者である「木耳のお店」とのコラボ商品だという。

出店者同士のコラボ商品も誕生

「『豊穣屋』出店の説明会の際に運営を委託された会社の社長から『きくらげ入りの餃子を作ってみては?』と言われたのがきっかけでした。『木耳のお店』の社長の喚田恵子さんもイベントなどで顔を合わせていたのでぜひやってみたいと思いました」と「社龍」の代表、鈴木利弥さん。

「木耳のお店」は、豊川市内できくらげを生産、販売。そのPRの手法がとてもユニークで、全身ピンク色の衣装にアフロヘア、丸メガネといういでたちの「きくらげの妖精」が愛知県豊川産のきくらげの魅力を伝えるというもの。地元で開催されるイベントでは、訪れた客からツーショット撮影やサインをリクエストされるほど大人気だという。この日も「木耳のお店」のスタッフ、いや、木耳の妖精のあっぴーさんが来てくれた。

「もともと社長の喚田は就労継続支援B型の施設として親戚が生産したきくらげの選別や加工を請け負っていました。国産のきくらげの美味しさに感動したのと、障害者の工賃を上げるために『木耳のお店』を立ち上げました。きくらげ作りはオリジナル配合の菌床の仕込みから行っています。農薬もいっさい使っていません」と、あっぴーさん。

「木耳のお店」のあっぴーさん(左)と「社龍」の鈴木利弥さん(右)(筆者撮影)

「豊穣屋」で扱っているのは、乾燥きくらげのほか、佃煮に加工した瓶詰め。とくにラー油で味付けした「きくらげラー油」が人気だ。「木耳のお店」のきくらげは、中華料理店などで食べているものとはまったくの別物だという。

次ページ開店直前まで、計46回もの打ち合わせが行われた
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