苦戦続きだった百貨店アパレル、予想外の復調と前途

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 流れが変わった要因について、SMBCフレンド調査センターの田中俊・主任研究員は、「低価格商品を買うこと自体がブームだった流れが去り、身の丈に合った消費が始まった」と分析する。アパレルメーカーはユニクロなどファストファッションの台頭やリーマンショック後の消費低迷に、長らく苦しめられていた。が、節約ムードがようやく緩和され、高額衣料にも目が向くようになったというわけだ。また、たとえばオンワードが一部ブランドに投入しヒットした軽量の「エアージャケット」を多ブランドへ拡大展開するなど、点のヒットを面展開したことが寄与した面もある。

震災の影響によって、3月以降は再び低迷する懸念はあった。実際、営業時間短縮の影響で、売り上げが3~4割落ち込む日もあったが、現在は震災前の勢いを取り戻しつつある。「ここまで回復が早いとは思わなかった」(田中英信・オンワードホールディングス執行役員)とアパレルメーカーですら驚きを隠さない。

半年以上にわたる回復トレンド。これを受けて、業界内には「良い物で長く着ることができるアパレルブランドへの回帰が始まった」(大手アパレル)と、先行きを楽観視する声も出始めている。


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