メーカーによっては、独自にカスタマイズを加え、似た設定を実現していることもある。Galaxyシリーズの「ルーチン」は、その1つだ。この機能を使えば、上記のPixelと同様、場所や接続しているWi-Fiに応じて着信音を制御することが可能になる。Galaxy Z Fold5の場合、「設定」の「モードとルーチン」で、「ルーチン」タブを選択。「+」ボタンをタップして、条件と実行内容を選択する。条件に「場所」や「Wi-Fiネットワーク」を設定し、実行内容には「サウンドモードと音量」を選択すると、Pixelよりも細かく音量まで調整できる。着信音のオン・オフは頻繁に変更する可能性が高い項目なだけに、自動化の恩恵は大きいと言えるだろう。
Galaxyの「ルーチン」は、多彩な組み合わせが可能
バイブレーションのみやサイレントモードへの変更だけしかできなかったPixelに対し、Galaxyシリーズのルーチンはできることが多彩だ。例えば、条件に関しては、場所や接続しているWi-Fiだけでなく、時間やWi-Fiの電波強度、接続しているBluetoothデバイスといった項目に加え、モバイルデータ通信がオン・オフになった場合や、バッテリー残量、折りたたみの状態などなど、幅広い項目を指定することができる。
また、その条件下で実行できる内容も多彩で、着信音の変更にとどまらない。一例を挙げると、画面の点灯時間やディスプレーの明るさ、省電力モードのオン・オフ、音楽の再生、アプリの起動など、さまざまな動作の自動化が可能だ。すべての操作を自動化するのは難しいが、その組み合わせは数えきれないほど。うまく設定しておけば、操作をかなり簡略化することができる。
例えば、筆者はオーディオグラスの「HUAWEI Eyewear 2」を使用している。これは、ツルの部分がイヤホンになっているメガネ型の周辺機器。見た目は、一般的なメガネとほぼ変わりなく、耳に指向性のある音を届けるというものだ。このHUAWEI Eyewear 2に接続したときだけ、通知を読み上げるよう設定している。イヤホンと違い、メガネをかけているだけなので常時身に着けられる。その状態で通知が読み上げられると、スマホの画面を見ずにある程度の情報を音で把握することが可能だ。
条件に「Bluetoothデバイス」を選び、HUAWEI Eyewear 2に接続した場合を設定。実行内容には、「通知の読み上げ」を選択する。すると、BluetoothでHUAWEI Eyewear 2が接続されているときだけ、通知を読み上げる機能が起動する。メガネをかけるたびに本体を操作するのはなかなか手間がかかるため、自動化しておきたい仕組みと言えるだろう。同様のルーチンは、他のBluetoothイヤホンを接続した場合にも設定できるため応用の範囲が広い。
もう1つは、Samsung Notesという手書き可能なアプリの起動を条件にしている。このときの実行内容は、画面のタイムアウトの時間を10分に延ばすというもの。PDFなどに注釈を加える際に、途中で画面が消えてしまうのを防ぐためのルーチン設定だ。
同様に、銀行のアプリも、Galaxyで取引内容を見ながらPCの帳簿ソフトに転記することが多いため、画面のタイムアウトを10分に延ばしている。ただし、Galaxy Z Fold5を閉じたまま使う時は、振り込みなど、すぐに終わる操作が多い。そこで、「折りたたみ状態」の条件も加え、「完全開いた状態」の時だけ、この設定が実行されるようにした。Galaxyシリーズ限定の機能だが、細かな設定変更を自動化でき、作業効率が大きく上がる。同シリーズを持っている人は、活用することをお勧めしたい。
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