財界人秘書は見た!一流の「存在感」の正体 意外なところに"共通点"があった

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たとえば、初めてN氏を見たとき私が「この人すごい」とオーラを感じたのは、よくよく見てそう思ったのではありません。姿が目に入ってきた瞬間に、そう感じる何かがあったのです。それは、人間が一瞬の視覚で確認できる情報です。

ポイントは「アゴ」だった!

一瞬で確認できるのはせいぜい、その人のシルエットや表情全体から受ける感じです。ですから、「姿勢がよいこと」や「アゴ・口元が引き締まっていること」、たったそれだけのことだけでも、その人の印象に大きな影響を与えるのです。

N氏のオーラに加えて、秘書としての担当が違ったこともあり、たまにN氏とお話しをする機会にはかなり緊張していた私でした。しかし、一度そんな機会に、ふと「なぜ総支配人はそんなにすごい雰囲気をお持ちなのですか?」と向こう見ずな質問をしたことがあります。

N氏は、ダイレクトな褒め言葉にもあまり照れない、明るい自信に満ちた方でした。ですから、明るくはっはっはっと笑って、当然のように答えてくれたのです。

「そんな大したことはしてないよ。たぶん背筋をシャンとしているとか、こう(とアゴを引き締めて)相手の眼をちゃんと見ているとかのことだけじゃないかな。たったそれだけでも、している人とそうじゃない人は違うんだ。そう思わない?」。そう正面からあらためて見られて、またも非常に緊張した私でしたが、確かにそのとおりでした。

それから気をつけてN氏の様子を見ていると、つねに姿勢よく、アゴをきちんと締めていることがよくわかりました。そして、相手がお客様でも部下でも、話すときには真っすぐ相手を見るのです。お客様や著名経済人など周りを見ると、やはり姿勢やアゴの角度は「締まっている」方ばかり、いえ、それが一流の方々の共通の特徴だということがよくわかってきました。

そして、姿勢やアゴの角度が決まっていると、人を見るときの視線が真っすぐ直線的になることにも気がつきました。なるほど、こういうことが「堂々とした感じ」を生み出しているのだな、と感心したものです。

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