山手線渋谷駅「最後の線路切り換え工事」の狙い 東西自由通路の整備へホームと線路をかさ上げ
線路やホームの高さが変わると局所的な勾配が生じそうにも思えるが、そのようなことはないという。JR東日本によると、渋谷駅の線路は工事前の状態でも新宿方面に向かって約5パーミル(1000m進むごとに5m上る)の勾配がある。一部を20cm持ち上げるのではなく、従来と同程度の勾配を維持したままで線路とホームをかさ上げするといい、山手線に乗っていても工事前と後で違いに気づくことはなさそうだ。
JR東日本によると、作業には全体で約4600人、一度に最大約800人が従事し、機材は「軌陸車」と呼ばれる線路上を走れる重機や架線作業用の車両など十数台のほか、バラストを運搬・散布するための保守用車1編成も使用。工事時間は17日の終電から20日の始発まで約52時間に及ぶ。
仮設から「本設化」へ整備推進
渋谷駅周辺の再開発は2027年度の完成を目指しており、5回目となる今回の「最後の線路切り換え」により、JR渋谷駅の構造的な骨格はおおむね固まった。今後は完成形に向けた整備が進む。
JR東日本によると、現在は仮設となっているホームは「本設化」工事としてホームドアの整備やタイルの設置などを進める。コンコースについては、東西自由通路を含めた駅舎全体の工事を実施。さらに駅には高層ビル「渋谷スクランブルスクエア」の中央棟・西棟が建ち、渋谷駅は大きく様相を変えることになる。
「100年に1度」といわれる渋谷再開発の象徴の1つでもあった、東京の大動脈・山手線をストップしての線路切り換え。電車の運休を伴う大規模な線路切り換え工事の終わりは、いよいよ完成目標の年が近づいてきた再開発の1つの節目といえるだろう。
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