山手線渋谷駅「最後の線路切り換え工事」の狙い 東西自由通路の整備へホームと線路をかさ上げ

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工事に伴い、山手線は18日に外回り、19日に内回りの大崎―渋谷―新宿―池袋間の運転を終日ストップ。運休本数は2日間で計520本だ。工事のタイミングを11月中旬の週末とした理由について、JR東日本は4回目の工事以降進めてきた線路切り換えの準備が整ったことや、「お客様のご利用の多い平日を避けて土日の施工とし、大きなイベントを避けることも考慮した」と説明する。

線路とホームを上げる高さは最大で20cm程度だが、これによって駅の東西を結ぶ自由通路の整備が本格化する。通路はハチ公改札付近と駅中央付近に2本整備され、幅はどちらも20m以上となる予定。線路とホームのかさ上げによって、高さを2.6m以上確保できるようになる。

ハチ公前通路
ハチ公改札の通路。かさ上げ工事を経て将来は幅20m以上、高さ2.6m以上の通路が整備される=2023年11月17日(記者撮影)

桁に載った線路をジャッキアップ

線路をかさ上げする方法は場所によって異なる。JR東日本によると、ホームのある部分の約230mは、事前に「工事桁」と呼ばれる桁に載った状態にしてあるため、いったんレールを取り外して桁をジャッキアップ。かさ上げ用の部材を桁の下に設置した後、レールを再度設置するという方法だ。それ以外の部分の線路は砕石(バラスト)を敷いた軌道のため、線路をジャッキで持ち上げたうえでバラストを補充し、高さを変える。

線路かさ上げの量は、新宿寄りが最大13cm、恵比寿寄りが最大22cmだ。

工事桁と線路
「工事桁」に載った部分の線路。桁をジャッキアップして線路をかさ上げする。オレンジ色の箱型の機械はジャッキを操作する装置だ=2023年11月17日(記者撮影)
線路とバラストの袋
かさ上げ用のバラストは袋詰めして線路わきに積み、工事に備えていた=2023年11月17日(記者撮影)

また、ホームは床面が仮設の木製合板となっているため、いったん合板をはがしたうえで下に角材などを設置。かさ上げの面積は2030平方メートルに及び、高さは最大で20cm上がる。この工事と同時に、ホームの恵比寿寄り約25mの範囲は使用停止となり、電車の停止位置が若干新宿寄りに移動する。

山手線ホーム恵比寿寄り
かさ上げと同時に、山手線ホームの恵比寿寄り約25mは使用停止に=2023年11月17日(記者撮影)
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