スカイマーク株を電撃取得、大株主「鈴与」の衝撃 ANA、政投銀が驚く「清水の親分」まさかの登場

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スカイマークは航空業界の「第三極」を自称しているが、同社の大株主には航空大手のANAホールディングスが名を連ね、12.9%の株式を保有している。ANAHDからすると、最大のライバル企業・JALと連携する航空会社グループがスカイマークの大株主に加わる形となる。

そのため、FDAの関係者さえも「(今回のスカイマーク株取得は)寝耳に水だった」と驚く。「鈴与会長の鈴木与平氏が強く関わっているのではないか」というのが、鈴与をよく知る関係者共通の見立てだ。

これまでスカイマークを巡っては、大株主であるインテグラルとANAHDが経営の主導権を握ってきた。今後はその主導権がJALと連携する鈴与グループとANAHDに移ることが予想される。

スカイマークとの連携発展の可能性も

フジドリームエアラインズは静岡空港の開港に合わせ、2008年に鈴与の出資で設立された(撮影:尾形文繁)

ここで気になるのが、鈴与HDがスカイマークの株式を取得した狙いだ。インテグラルは11月7日のリリースで「スカイマークにとってメリットのある事業連携の検討による事業価値向上が期待されます」と発表している。

だが、その事業連携の具体的な中身については明かされていない。スカイマークからは、「航空事業者である鈴与が株主となることについては安心感がある一方、株式取得の意図はわからない」という声が聞こえる。

FDAの事情に詳しい業界関係者は、「地方路線中心のFDAと羽田発着国内線が強いスカイマークは路線が被らない。今後、コードシェアなどでFDAとスカイマークの連携に発展する可能性もある」と見る。

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