トヨタ、利益4.5兆円の上り調子とアキレス腱 HV急伸で絶好調、EVで戦える体制をつくれるか
通期見通しは販売台数も業績も過去最高
下期も好調な販売が続くと見込んでおり、2024年3月期の販売台数はトヨタ・レクサスブランドで1040万台、ダイハツ工業、日野自動車を含むグループ全体で1138万台といずれも過去最高を予想する。
通期の営業利益は期初予想の3兆円から、4兆5000億円に上方修正した。このうち1兆1800億円は円安効果によるもの。想定レート(1㌦=141円、1ユーロ=152円)は実勢より保守的で、利益がさらに上振れする可能性は高い。
わが世の春を謳歌するトヨタにあって、数少ないアキレス腱といえるのがEV(電気自動車)の遅れだ。
近年欧米や中国でEV市場が拡大しているが、トヨタの今中間期のEV販売台数は5.9万台にとどまった。同じ期間にテスラは90万台、中国BYDは78万台を販売している。さらに中国では新興メーカーも含めた競争激化で値下げ合戦が常態化している。
「多くの選択肢が増え、たいへん厳しい価格競争に入っている」。宮崎CFOはEV市場をそう分析したうえで「『bZ4X』を中心としたトヨタのEVはまだまだ改善の余地があるというお客様からのメッセージと受け止めている」と自社EVについて課題があるとの認識を示した。
テスラやBYDは内外装デザインの先進性やソフトウェアを軸にしたサービスで既存自動車メーカーのEVとの差別化を図っている。苦戦を反映してか、トヨタは今期のEV販売計画を、期初の20万台から12.3万台に引き下げた。
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