疲れ果てたパワーカップル、「隠れ貧困」のリスク 自由になれる時間は週にたった5時間とのデータも

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忙しいからといって便利な時短家電を持ち、ベビーシッターや家事代行サービスを使うだなんてぜいたくだと感じる人もいるかもしれません。しかし、先述の研究の通り、未就学児を持つ共働き夫婦は自由時間が1日に1時間もなく、そのうちの4割は最低限の家事をする時間さえ足りないという状態に置かれています。

実家が遠方で近くに頼れる人が誰もいない、夫婦どちらかが多忙で、もう一人が家事や育児をワンオペでしなければならないといった事情を抱えていれば、最低限の日常生活を送るためにロボットの力や人手を動員せざるを得ない現実を、一概には否定できないと思います。

共働きに迫る「隠れ貧困」のリスク

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「時は金なり」といいますが、とりわけ共働き世帯は、家事や育児の時間を確保するためにキャリアや収入を手放すか、夫婦で働いて収入を得るのと引き換えに時間をお金で買うかの選択に迫られています。選択のしかたしだいでは、せっかく共働きをして収入を上げたにもかかわらず、貧困状態に陥るという綱渡り状態でもあります。

夫婦にこれほどの負担がかかるのは、都市への一極集中や核家族化が進んだ弊害でもあるのかもしれません。苦しいなら親と同居するなり、実家に帰るなり、物価の安い地域へ移るなりすればいいという意見もあるでしょう。

しかし個々の家族や仕事の事情を考えれば、そう簡単に解決できる問題でもありません。当事者以外から見れば経済的にゆとりがありそうでも、実はギリギリの生活に悩む、隠れた貧困状態に近い家庭は、予想以上に多いのではないでしょうか。

加藤 梨里 FP、マネーステップオフィス代表取締役

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かとう りり / Riri Kato

保険会社、信託銀行などを経て2014年にファイナンシャルプランナーとして独立開業。家計相談、セミナーや雑誌・ウェブサイトでの執筆を中心に活動。慶應義塾大学SFC研究所上席所員として、健康増進とライフプランの関係をテーマに研究活動も行っている。https://moneystep.co

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