年収1000万円でも余裕ないのは税負担増えたから 東京と地方でも生活費は大きく変わる

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生活コストが上がっている一方で、働く人の実質的な賃金は目減りしています。国税庁の「民間給与実態統計調査(令和3年)」によると、会社員(給与所得者)の平均給与は年収443万円。2023年4月の給与の実質賃金は前年同月比マイナス3%で、2022年4月以降ずっとマイナスが続いています(厚生労働省「毎月勤労統計調査」)。

長期的に私たちの収入を目減りさせてしまっているのが税金や社会保険料です。この20年あまりで消費増税や社会保険料の引き上げが続き、家計の目に見えない支出は確実に増えています。

「非消費支出」が大幅に増加

所得税や住民税といった直接税と健康保険料や年金保険料を合わせた「非消費支出」の変化を見ると、世帯年収1000万~1250万円の世帯の場合では2000年には年間約165万円だったのが、2022年には約225万円にまで増えています

勤め先からの収入に占める非消費支出の割合を見ても、約19%から約23%へ上昇しました。それだけ、税や社会保険料が家計を圧迫しているということです(総務省家計調査「年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」)。

このように税や社会保険料の負担が増えたうえに物価高で生活コストも上がっているわけですから、今の年収1000万円世帯の経済力はかつてに比べてずっと弱くなったことがわかると思います。

このような状況のなか目につくのが、共働き世帯の増加です。「女性活躍推進」といったポジティブな側面で語られることも多い話題ですが、前述のような状況を鑑みると、経済的な事情からやむを得ず共働きを選択している家庭も少なくないという現状が想像できます。「世帯年収1000万円」と一口に言っても、夫婦2人がそれぞれ平均年収に近い約500万円ずつを稼ぎ、やっとのことで家族を養っている家庭が少なくありません。

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