英国で壊された橋を「妖精」が2度も直した珍事 環境保全団体による"横暴"への抵抗か
人々から愛されたイギリス・ノーフォークの小さな橋は、沿岸の村と環境保全団体ナショナルトラストとの長期にわたる論争の中で2度にわたって解体されたものの、村の伝聞によると、「地元の妖精」によってそのたびに架け替えられた。
ノーフォークの海岸で大切にされている塩沼へ続く道となっているのがこの橋だ。ナショナルトラストが昨年、安全上の懸念を理由に撤去するまで50年以上にわたって使われてきた。
そうした重要なルートを撤去する計画について、村民は何の通知も受けていなかったと、橋の架け替えを求める運動を行っている住民のイアン・カーティスは語った。
「中世の荘園領主」のような振る舞い
カーティスによると、「村では『橋が撤去された。私たちは塩沼に行けない!』と怒りの声が上がった」。カーティスは、塩沼を所有するナショナルトラストの態度は高圧的だと話し、スティフキー村民とナショナルトラストの力関係を小作農と「荘園領主」のそれにたとえた。「時は中世、ここはそんな感じだ」とカーティス。
ノーフォークの塩沼は、地元の人たちにとっても観光客にとっても、野生動物観察の聖地となっている。潮の満ち引きで毎日海水に浸される曲がりくねった泥っぽい小川は、鳥類や貝類の繁殖のための保護区となっている。潮の入り江に架かるスティフキー橋がなければ、ここを訪れた人たちは、潮の変化により塩沼に取り残される可能性がある。