イタリアを席巻するニッポンの意外な食材 現地で大人気「ゼンパスタ」って何だ?
「女友達とパーティーするのに使うの」
ゼンパスタを買い込んだマリアーナさんに密着させてもらった。彼女は週に一度は必ずゼンパスタを食べるという。
自宅に伺うとマリアーナさんは、さっそく食事の準備を始めていた。まずは沸騰したお湯に塩を入れ、次にゼンパスタことしらたきを入れてゆでること10分。その横では卵黄・牛乳・チーズを丁寧に混ぜてなにやらソースを作っている。
さらにフライパンで炒めたのはベーコンだ。そこに水を切ったしらたきを入れベーコンと混ぜ合わせた。そう、これは日本でもおなじみのパスタ・カルボナーラだった。
違うのは麺がパスタではなく、しらたきだということだ。日本では鍋料理に使うしらたきは、遠い海の向こうイタリアでは、パスタとして食されていたのである。カルボナーラだけでなく、エビとアスパラガスのパスタや、トマトとチーズのバジルパスタにも、当然ながらしらたきが使われていた。
それにしても、イタリア人はなぜしらたきをパスタの代用品にしているのか。
「ヘルシー」に着目
ポイントはなんといっても「ヘルシーさ」にあるという。しらたきの原料はこんにゃく。100グラム中に含まれるカロリーは6キロと非常に低カロリーだ。パスタと比べるとなんと、25分の1で済んでしまう。
さらに食物繊維が豊富でお通じにもよく、腹持ちがよいという、女性にとって理想の健康食である。
現在イタリアでは、様々な雑誌が「日本から来たヘルシーな食材ゼンパスタ」とこぞって特集を組んでいる。背景には、イタリアの健康への熱い関心がある。もともとイタリアは「健康な国ランキング」で日本を抑えて2位。平均寿命も日本に次ぐ世界2位の健康・長寿大国である。だからこそ、しらたきが人気を集めたのである。
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