日経平均が3万円を割れたらどうすればいいのか 相場は「陰の極」に達している可能性がある

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「アメリカ市場への期待感が消失している」と書いたが、肝心の日本市場においても、1ドル=150円の円安で高まると言われていた業績相場がなかなか出てこない。

日経平均株価のEPS(予想1株あたり利益)は、決算発表本格化がこれからとはいえ、17日にようやく2100円台に戻ったものの、27日には再び2068円と低迷している。期待された中国経済の巻き返しも、日立建機(6305)やニデック(6594)の決算でその期待が消えた。

相場はおそらく陰の極に達した

まさに、ダメダメばかりの兜町である。だが、当たり前のことだが、この「ダメダメ」がひっくり返ると、今度はすべて上げ材料となる。そして、この状態を相場用語では「陰の極」と言い、相場反転のタイミングとも言われる。

やはり強気の兜町、「今の状態こそ反転のタイミング」と見る筋も少なくない。また、1ドル=150円でもなかなか介入しない政府の態度を見て、「実はこの30年間で世界から出遅れた日本が、生産の国内回帰をもくろむ起死回生の策ではないか」との兜町らしい見方もある。

筆者に対する相場の見方、すなわち「年末高から2024年、と2025年は大相場となる」という見方はいささかも変わっていない。ここは買い場であり、もしさらに下げればその下げを生かせばいいだけだ。ただ、予想を超える急激な上げ下げが再び現れるようなら、日経平均株価は短期的には3万円を割れる可能性もある。もし割れれば、当然市場は昨年の高値だった2万8000円台半ばを次の下値と見ることになろう。もしそうなれば、しめたものだ。

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