「将来、何になりたい?」聞く親が子を不幸にする訳 若者たちが活力をもつ社会にするために必要なこと
「一品持ち寄り宴会」というのを考えてください。「一品持ち寄り」といいながら、みんな「2人前」や「3人前」持ち込んできます。だから、「誰が食べてもいい食物やお酒」が潤沢に「宴席の真ん中」に積み上げられている。だから「宴会」になるわけです。
全員が自分の分だけのお弁当を作って持ってきて、自販機で缶ビール1本買ってきて、それを1人で飲みながらぼそぼそ食べても、そんなのぜんぜん「宴会」じゃないでしょう?
コモンもそれと同じです。「出した分だけ回収するぞ。絶対『割り勘負け』しないようにしよう」という意気込みの人たちばかりの宴会がぜんぜん楽しくないように、身銭を切る覚悟のない人たちだけが集まってもコミュニティーは作れません。
「できのよい直感」を育てる努力をする
――いまのような不確実性の時代を生き延びるうえでいちばん大切な大人の知恵とはなんでしょうか。
「どうしていいかわからないときにどうしていいかわかる」能力のことを「生きる力」といいます。それを育てるしかないです。
前例のない事態に遭遇したときには直感に従うしかありません。ですから、日ごろから「できのよい直感」を育てるように努力する。
直感は脳内現象ではなく、皮膚感覚です。「鳥肌が立つ」とか「肌に粟を生じる」という表現があるように「そっちに行ったらダメ」「そいつの話を信じちゃダメ」というときにはまず皮膚が反応してくれます。まずはそういう敏感な皮膚感覚を育てることです。
でも、「そっちに行っちゃダメ」ということがわかっても、自分の直感に従う勇気がなければ、いくら直感がよくても無意味ですけれど。
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