マネックス、ドコモと「がっつり」組む深謀遠慮 グループCEOが「祖業」を売った理由を激白

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提携相手として、ドコモは生活基盤に近いということが大きい。やっぱり生活の一部に資産形成を置くことは重要だ。モバイルは生活の一部だし、ドコモは決済サービスも持っていて、人々の生活に同社のアプリなどが浸透している。

その世界に私たちの商品を置けるというのは、これまでとは全然違う絵になる。それで資本を含めて、ガッツリやる決心がついた。

手数料無料化以外の訴求策とは?

ーーSBI証券と楽天証券が手数料無料化に踏み込みましたが、無料化以外に多くの人をひきつける策はあるのでしょうか。

入り口のハードルの低さという点で、無料化は重要だ。そのため、新NISAの枠内で行う取引については、基本は全部無料にすると発表した。しかし、私たちがやりたいのは、資産形成に触れてもらいましょうという入り口ではなく、その後、資産を増やしてもらうことだ。それには、うまく投資をする情報やツールといった付加価値を提供することが大事だ。

手数料だけを訴求するのは違う。「こういう時にはこういう戦略がいいですよ」とか、「あなたのリスクの取り方ならこうするのがいいですよ」とか、きちんとアドバイスしていかないといけない。それが付加価値につながる。

清明祐子(せいめい・ゆうこ)/1977年9月生まれ。2001年4月三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。2009年2月マネックス・ハンブレクト(2017年マネックス証券と統合)入社。2011年6月マネックス・ハンブレクト社長を経て、2019年4月マネックス証券社長。2021年6月マネックスグループ取締役。2023年6月取締役兼代表執行役社長CEO(現任、撮影:ヒダキトモコ)

ーー今回の取引で、マネックス証券の売却益182億円が発生します。「アセットマネジメントビジネスに投資する」としていますが具体的には?

当社のビジネスポートフォリオを見た際に、株式市場やクリプト(仮想通貨)の市場に大きく左右される特徴がある。そのため、収益のボラティリティが高くなっている現実がある。そこを何とか安定的にしたいと考えたとき、資産運用ビジネスは残高に対して報酬をいただけるので、いわゆる安定収益になる。

とくに、興味がある分野はグローバルな資産運用だ。外国株式に投資をしている運用会社というイメージで考えてほしい。その商品が機関投資家向けなのか個人投資家向けなのかいろいろあるが、そこは問わない。

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