サイゼリヤ、国内赤字でも「値上げをしない」理由 業績上昇でも、国内は4期連続で水面下に沈む

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サイゼリヤは今2024年8月期も、国内では値上げに踏み込まない算段だ。

同社は2024年8月期について、売上高2110億円(前期比15.1%増)、営業利益131億円(同81.4%増)を見込む。

地域セグメント別に見ると、アジア地域では営業利益109億円を計画する。アジアでは、中国の上海や広州などで店舗数を拡大する考えだ。

国内もついに水面下脱出か?

気になる国内については、20億円の営業利益を見込む。

足元でも客数の増加が続いており、売り上げを伸ばしている。原材料費は高止まりの状況が続く一方で、国内では前期からの店舗運営効率化をさらに徹底する。セルフレジやテーブルオーダー導入店舗をいっそう拡大。さらに売れ行きの悪いメニューを絞り込むことで、店舗スタッフの作業を効率化する。

「前期から始めたセルフレジやテーブルオーダーなどDXや運営効率化を、今期はさらに速度をあげて取り組んでいく。これが大きなテーマだ」と、松谷社長は語る。

前2023年8月期の営業赤字は上期(2022年9月~2023年2月期)に計上していたものが大半で、販管費削減の効果が発現し始めた下期(2023年3~8月期)は営業黒字を確保している。こういったことを考慮すると、今期は通期ベースで国内の水面下脱出を図れそうだ。

外食業界の最近の「定石」を外し、値上げを実施することなく国内事業を立て直すことができるのか。サイゼリヤの行方について、関係者は固唾をのんで見守る。

金子 弘樹 東洋経済 記者

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かねこ ひろき / Hiroki Kaneko

横浜市出身で早稲田大学政治経済学部を卒業。2023年4月東洋経済新報社入社。現在は外食業界を担当。食品ロスや排出量取引など環境問題に関心。

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