たとえば、洋服を収納する場合。「お弁当箱」タイプと同じく、フタを外せば上から洋服をまとめてしまうことができる。しかし、「お弁当箱タイプ」はフタをして積み重ねてしまうと、下段に収納したモノを取る際には、いちいち上の収納用品をどかしてフタをとらないと取り出せない。
しかし、この商品は前扉がついているので、「引き出しタイプ」と同様、積み重ねた状態で前から洋服を1枚ずつ出すことができる。
他社とはちょっと異なるのが前扉。折り畳み式で4段階に固定が可能になっている。入れるモノによって高さを変えて作業ができる点が好評だという。また、これは正しい使い方ではないかもしれないが、少々勢いよく開けてもいずれかの位置にピッと固定されるので、慌てているときなどでもモノが取り出しやすいと思った。
子どもでも簡単に開閉できるので、おもちゃ箱として購入する人も多いそうだ。オムツ入れや子どものロッカーとしてもちょうどいいようで、幼稚園や保育園からの発注もあったという。乳幼児だと指を挟まないよう注意したいが、わが家の2歳半の息子は問題なし。珍しそうに前扉を開け閉めした後は、勝手に電車のおもちゃをしまっていた。
山善もビックリの、意外な使い方
販売を始めてから、家庭機器事業部の大西琢也氏は、あることに驚いたという。
「みなさん、隠さずに、見せて使ってるんですよね」
もともとは、クローゼットでの使用を想定して開発したのだが、インターネットでユーザーレビューなどを見ていると、リビングやキッチン、脱衣所などで使っている人が圧倒的に多いのだという。
そのワケは、省スペースで使える作りにある。たとえば、筆者は無印良品の「ポリプロピレン収納ケース」を使っているが、このような引き出し状の収納用品は、引き出す分の奥行スペースがとれない場所には置けない。はっきり言って、筆者が住んでいる3DKの狭小住宅では、押入れやクローゼットでしか使えないのだ。
だが、これは前扉式なので引き出す分のスペースがいらず、脱衣所やキッチン脇など比較的狭い場所にも置けるのである。使う場所が限定されにくいので、引っ越して間取りが変わっても、処分せずに使い続けることができそうだ。
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