日本初のEVキャンピングカー「T-01」の正体に迫る 電動化×アウトドアは自動車業界で成功なるか

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T-01の運転席
T-01の運転席(筆者撮影)

前述のとおり、T-01は、EVキャンピングカーとしては日本初(2023年8月4日時点/カーステイ調べ)。だが、海外にはすでに存在しているという。例えば、フォルクスワーゲンのBEVミニバン「ID.BUZZ(アイディーバズ)」がベースのEVキャンピングカー。ID.BUZZは、「ワーゲンバス」や「タイプ2」の愛称で、日本でも1960年代頃から人気が高い商用バン「トランスポーター」をモチーフにしたといわれるモデル。欧州など海外では2022年から発売されており、欧州のキャンピングカー・メーカーがそれをベースにしたモデルを製作した事例がある。

また、テスラが北米で2023年後半に発売すると噂されているEVピックアップ「サイバートラック」。このモデルの場合は、ベース車の発売前から複数のアフターパーツメーカーなどが専用のキャンパーシェル(キャンピングカー用の居住空間)などを開発。予約注文を受け付けているメーカーもあるという。そして、このような世界の潮流に着目したカーステイは、「将来的にスタンダードになる」であろうEVキャンピングカーをいち早く採り入れるため、ムーンというブランドを立ち上げ、T-01を発売したのだという。

T-01の今後について

サイドから見たT-01
サイドから見たT-01(写真:Carstay)

T-01に関しては、これも前述のとおり、現状で左ハンドル仕様しかないという課題もある。近年、多くの輸入車は、日本の道路でドライバーがより走りやすいように、右ハンドル仕様を用意し、逆に正規モデルでは左ハンドル仕様の設定がない場合もある。T-01にも、右ハンドル仕様を追加設定したほうが、より需要は伸びそうだ。これについても、カーステイでは、「ベース車を手掛けるHW ELECTROが対応する予定で、2024年には設定できる」という。

次ページ約270kmという航続距離は気になるが、そのほかの課題は?
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