愛知発スーパーの「フルーツサンド」ヒットの裏側 小さなスーパーを受け継いだ3代目社長の奮闘
経営者になって5年。まだ未熟なりにも、この言葉を聞いて確信したことがある。
それは、楽しい場所に人は集まるということ。そして、その楽しさはつねに自分が起点となるということ。
「どうすれば楽しくなるのか?」、この考え方を習慣化していかない限り、まわりも自分自身も決して楽しくはならないということを学んだ。
仕事が楽しくないと思っていた時期に、もう1つ大事な心構えをじいちゃんから教わった。
「楽しく商いをするっていうのはな、人から見て楽しそうに見えてるかっていうことも大切なことなんだよ。楽しそうに見えてないっていうことは、人からも応援をされなくなってしまうんだ。こうきはどういう人を見て応援したいって思うかい?」
僕は「一生懸命な人」と答えた。
「おう、そうだよな。たとえば高校球児なんかもそうだ。あのテレビ画面から伝わる一生懸命さ、その姿に人は感動したり応援したくなるんだよな。こうきも甲子園を目指す高校球児みたいな働き方を目指したらいいよ。わはははは」
高校球児みたいな一生懸命さ、ひたむきさ、そして純粋さ。それは、仕事が楽しくないと思っていた自分に一番足りていないものだった。
「そして楽しく生きるためにはな、自分の機嫌くらいは自分で取らないとな。それがまわりにいてくれるみんなのためだし、おまえ自身のためになる。いつも上機嫌でいろ。そうしたらもっともっと毎日が楽しくなるぞ」
「でも笑えないときもあるよ」と僕が言うと、「それはおまえが順番を間違えてるんだよ。楽しいことがあるから笑うんじゃないんだ。笑顔でいるから楽しくなるんだよ。プロの商人っていうのは、上機嫌で笑顔でいるから、また笑顔になれるようなことが起きるんだ」
楽しいから笑うんじゃなくて、笑うから楽しくなる。
そう考えると、心が軽くなっていった。
東京進出の話が舞い込む
ダイワに東京進出の話が舞い込んだ。東京に店を出す、それはじいちゃんの夢でもあった。
地元で飛ぶように売れた「フルーツサンドを東京の人たちに届けよう」
その一心で計画を進めてきたが、いよいよ数カ月後にオープンを迎えようとするころ、「新型コロナウイルス」が世界中で猛威を振るった。
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