ミネラルウォーターの国内増産はもう限界、再び迫る“水不足”危機

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輸入品は質にバラツキ 主婦には抵抗感強い

震災後、メーカーや小売りは安定供給の観点から、世界中で水の確保に奔走しており、国もそれを後押し。ミネラルウォーターには、製造者、輸入業者の名前や住所、原産国などをラベルに日本語で表示しなければならないが、消費者庁と農林水産省は、その義務を一時的に緩和した。店頭などにラベルに書くべき内容を掲示すれば、ラベルの表示が外国語のままの商品も販売できるようになっている。

だが、「国産品の品質は非常に高い。それに比べると輸入品は国によってバラツキが大きく、今後、問題が出てきかねない」(岩田芳久・日本ミネラルウォーター協会専務理事)と指摘する声はある。実際、輸入品に対する消費者の反応は微妙だ。「販売数量は伸びているが、国産品が品薄でたくさん買えないから仕方なく買っている、という面がある。国産のほうが値段は高いのに、先に売れていく。特に子供を持つ主婦などには抵抗感があるようだ」(大手スーパー)。

いくら輸入を増やしたところで、消費者に買ってもらえなければ、本当の意味で飲料水不足は解消しない。短期間で輸入品の信頼性を上げられるのか。安定供給を目指すメーカーや小売りには、難しい課題が突き付けられている。


(張 子溪 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年5月28日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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