「年収の壁」130万円超でも連続2年まで扶養可能に パートで働く時間を抑える問題の解決策を検討中

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小川淳也(立憲民主党税調会長):最近、本当に橋下氏と意見がよく合うなと思っているが、やっぱりこれは「新しい壁」を作ってイタチごっこになるという問題と、何万円か収入が増えて年収の壁をクリアすると、何十万円という補助が出る、それ以下の人には出ないのに……、という圧倒的な不公平の問題など、非常に課題が多いと思っている。それで、橋下氏が指摘したことは筋が通っていて、例えば、第3号被保険者が700万人ぐらいいると思うが、これをいきなり1万6000円の年金保険料を、来月、来年から支払ってと求めるのは無茶だと思う。

“年収の壁”問題、企業への助成開始へ

ここで大事なのは、「漸進的な改革」というか、例えば、年間に300円、500円からお願いしたいと。月々300円、500円からお願いしたいと。これ30年、40年かけると、この問題は解決し第3号被保険者はいなくなる。

それから、例えば、退職金の控除だって既得権が発生している方がたくさん世の中にいる。例えば、(退職金の)40万円の控除を年間1万円ずつ減らさせていただきたい、40年後にはこれはなくなります、というような、漸進的な改革を進めること。そういうことを全くやらずに来たのがこの失われた30年だ。あまりにも急進的な改革は非常に副作用が強い。しかし、理想をちゃんと掲げた上で、何十年かけてでも徐々に進んでいくというような政治の知恵と力量。これが非常に求められているというふうにこの問題を通しても感じている。 

松山キャスター:この「年収の壁」の問題では、106万円とは別に、100人以下の事業体で働くパートなどの従業員などでは、130万円の壁というのもある。これについては今、政府が当面、一時的な増収ということであれば、1年、2年までは扶養を外さずそのまま認めるという案をあす(9月25日)にも岸田首相が示すのではないかという見通しもあるが、これについてはどう考えるか。 

田村憲久氏:これは今、社会保険の適用拡大をしているので、106万円、週20時間というところまでに広がっていけば、この問題はなくなる。で、それまでの間、この130万っていうのは、多分30時間働いている人は、間違いなく130万円を最低賃金で超えてしまう。だから、健康保険に入れるが、問題は、30時間働いていない人は、国民健康保険だとか国民年金になっちゃう。そこをどう考えるかというので、とりあえず運用で適用しないようにと。それを130万円になって、被扶養者から外すということを適用しないように、というのを2年間ぐらいやろうかと。その間に、いろんな検討しようということで今回、あすですかね、(岸田首相が)発表されるのだというふうに思う。

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