韓国大統領の「レームダック化」が止まらない 就任3年目の正念場だが、醜聞まで浮上

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支持率が回復しないのには理由がある。経済だ。13年の就任前から、経済回復・雇用増大は最重要課題だった。だが国民は景気回復を実感できないまま、大統領周辺ではカネにまつわる不正が発生。これでは誰からも支持されない。

指標もパッとしない。14年の実質GDP(国内総生産)成長率は前年比3.3%だった。が、10~12月期は、前期比年率1.5%と減速した。輸出も一時は自動車や電子製品など主力輸出品が大幅に落ち込んだ。足元では持ち直しているものの、先行きは心細い。

大幅に進んだウォン高円安が圧迫

それは、「ウォン高円安」が韓国経済の重しとなり、じわじわと効いてきているためだ。円安傾向はすでに長期化する兆し。4月23日には100円=900ウォンを割り込むなど、7年ぶりのウォン高を記録した。

かつては100円=1500ウォンを記録し、韓国企業の輸出競争力が絶頂を迎えたこともあるが、韓国企業は為替の行方と輸出の鈍化に戦々恐々としているのが現状だ。もし日本が追加緩和を行えば、円安はさらに進む。韓国の経済誌『中央日報エコノミスト』によれば、「100円=800ウォン水準もありうる」との予測も出ているという。

韓国の輸出上位100品目と日本のそれを比べると、半分以上の55品目が重複している。韓国貿易協会によれば、50万ドル(約6000万円)以上を輸出している企業の約35%が、「ライバルは日本企業」と回答している。同誌の咸(ハム)承(スン)ミン記者は「これから日本企業が本格的に価格競争に乗り出せば、韓国企業はその直撃弾を受ける」と指摘する。主力産業が落ち込めば、国民の景気の実感はさらに悪化してしまう。

対外環境は、一国だけでは変えがたい。「だからこそ、経済外交もうまくやり環境の緩和を図るべきだが、それさえない」(前出の韓国全国紙記者)。

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