販売台数3位トヨタ「シエンタ」発売1年通信簿 ワゴン車のみのラインナップで販売好調の理由

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シエンタのパワートレイン
1.5Lダイナミックフォースエンジンとシリーズパラレルハイブリッドを組み合わせたシエンタのパワートレイン(写真:トヨタ自動車)

実際、ガソリンエンジン車とハイブリッド車の燃費性能を比較すると、エントリーモデルのXで、7人乗りを選んだ場合、ガソリン車が18.3km/Lであるのに対し、ハイブリッド車は28.5km/Lである。ハイブリッド車は1.6倍近い燃費のよさだ。

車格では、最上級のZグレードがハイブリッド車とガソリンエンジン車ともに高い人気となっている。次いで、Gグレードという中間車格だ。

シエンタで一番人気のあるボディカラー「アーバンカーキ」
シエンタで一番人気のあるボディカラー「アーバンカーキ」(写真:トヨタ自動車)

車体色は、新型シエンタの訴求色でもあるアーバンカーキと呼ばれる緑色が人気で、次いでホワイトパール、ブラックの順となる。販売の上位人気3車種の内装は、黒が基本だが、カーキとフロマージュを選ぶことができる。外装色とともに、自然な風合いを求める消費者が増えているのではないか。

人も荷物も載せられる利便性の高いラゲージスペース

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購入者の声として大きいとされるのが、3列目の座席のダイブインという2列目の座席下にしまい込む仕組みだ。「コンパクト車であるのに大きな荷物をたくさん載せられ非常に便利」と、評判だ。

競合のホンダ・フリードもすでに7年目という長い期間での販売となっており、近いうちにモデルチェンジをするかもしれない。とはいえ、新型シエンタの販売動向は、ヤリスやカローラさえ脅かしかねない勢いがあり、コロナ禍や半導体不足といった生産の制約を受けながら、これほどまでの人気を保っている様子は、好調な販売動向といえるのではないだろうか。

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御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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