京急鶴見の副駅名「京三製作所本社」に何がある? 鉄道で見慣れた製品、昭和初期製造の自動車も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2021年12月にデビューした阿佐海岸鉄道のDMV(デュアル・モード・ビークル)向けには運転保安システムが採用されている。線路と道路の両方を走れるDMVの営業運転は世界で初めてなので、その運転保安システムも当然、世界初ということになる。

国内だけでなく海外でも同社製品は活躍する。海外営業部の勤務が長かった経営企画・IR部の木村友香さんは「ミャンマーで60年以上前の当社の製品がメンテナンスを受けながら現役で使われているのを見て感動した」と話す。

ミャンマー国鉄には1957年に継電連動装置や転てつ機を28駅に納入、現在も数駅で稼働している。また、インドでは2013年に現地法人を設立したが「その前から現地企業との協業で製品を納入していたため『KYOSAN』の社名は浸透していた」(木村さん)という。

かつて自動車を製造していた

本社工場に隣接する事務棟の1階には、実物のホームドアや道路の信号機など、代表的な製品の一部が陳列されている。一般向けに公開はしておらず、見学は株主総会の際などに限られる。ひときわ存在感を放っているのが昭和初期に製造していた小型自動車「京三号」だ。

京三製作所 「京三号」 保存車
昭和初期に製造された小型自動車「京三号」(記者撮影)

同社によると1925年設立の日本フォード社の自動車向けに、テールランプやマフラーといった部品を納入していたことから開発。1931年に販売を開始、戦時色が濃くなった1938年に製造中止となるまで2050台を生産した。現在本社にあるのは個人が所有していた車両をレストアしたもので、エンジンをかけることもできるという。

普段は見慣れた駅名標だが、副駅名の一つひとつを見ていくと、これまで知らなかった世界にたどり着くことができるかもしれない。

この記事の画像を見る(50枚)
「鉄道最前線」の記事はツイッターでも配信中!最新情報から最近の話題に関連した記事まで紹介します。フォローはこちらから
橋村 季真 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事