京急鶴見の副駅名「京三製作所本社」に何がある? 鉄道で見慣れた製品、昭和初期製造の自動車も
その京三製作所本社は、徒歩で行くには少し遠く、鶴見駅前から横浜市営バスのヨコハマアイランドガーデン行きで乗車6分、6つ目のバス停を降りたところにある。川崎駅前からは川崎鶴見臨港バスで13分ほど。バス停名は「京三製作所前」だ。
同社は1917年に東京で「東京電機工業」として創立。社名にある「京三」は、もう1つのルーツ、「京三商会」が京橋三十間堀にあったことに由来する。現在は自動列車制御装置(ATC)や連動装置といった信号システム、可動式ホーム柵(ホームドア)、旅客案内システムなど、鉄道に関するさまざまな製品を展開する。また道路の信号や交通管制システム、半導体産業向けの電源装置も手掛ける。
おなじみの「パタパタ」も
京急鶴見駅の副駅名は同社創立100周年を機に掲出したという。経営企画・IR部の南康貴さんは「『京三製作所』の一般的な認知度はまだまだ。鶴見区に長年本社をおく当社としては最寄り駅に社名を出すことで少しでも知ってもらうことにつながれば」と説明する。
実際、鉄道の利用者としては、列車の時刻や種別、行き先を示すホームの案内表示、歩行者としては道路信号や「押しボタン」をはじめ、日常生活の中で知らないうちに同社製品を目にしている。
京急線で言えば、品川駅の巨大な液晶ディスプレイを用いた発車案内システムや、京急鶴見駅のマスコットキャラクター「けいきゅん」がデザインされた可動式ホーム柵などが挙げられる。京急川崎駅で2022年2月まで使われた「フラップ式列車発車案内表示装置」(通称は「パタパタ」発車案内装置)も同社製だった。
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