「戸建て売却益で1000万円稼ぐ人」の不動産投資術 都内の「お宝物件」をどうやって見つけるのか
数多くの物件を見ることでそうしたギャップに気づく目を養うわけだが、独自のノウハウもある。
築古一戸建てを探す場合に最初に見るべきは古家ありの土地だという。これは、上物はあるが、それはないものとして土地だけで売られている物件のことで、大体は手を入れようとすると高くつくことが多い。だが、時にはそのまま使えるような状態の建物がなぜか古家にされ、土地値だけで売られていることがある。
「特に大手は瑕疵担保責任を負いたくないので、家があっても土地として売ることがあります。それを探す際には各社の自社サイトあるいはアットホームを使っています。手間がかかるのは確かで、人力でお宝を探すのが面倒とアットホームの物件情報を定期的に巡回、ギャップのある物件を探し出すプログラムを作った投資家もいたほどですが、運営者に気づかれてしまい、今は使えません」
渡辺さんに限らず、一般のポータルサイト、少し前であれば新聞の折り込みチラシから物件を探したという投資家は少なくない。見る目があれば目の前にお宝はあるのだ。
賃料の相場感を身に付けること
もう1つ、物件探し時には同時に賃料の相場感を身に付けておくことも大事だ。10万円で貸せると言われた物件が8万円でしか貸せないとしたら収支は大きく変わる。言われたことを鵜呑みにして利回りを想定してしまう時点で投資家としては終わっているのだ。
渡辺さんは、そうやって買った物件は4年過ぎくらいから売却を考え始め、大体6年くらいで売却している。これは税金の問題からだという。
不動産を売って利益が出た場合には住民税と譲渡所得税が必要になるが、所有期間が5年以下の場合には短期譲渡所得とされ、税率が高くなる。所得税の場合、長期だと15.315%が短期になると30.63%(いずれも2037年までは復興特別所得税が課せられる)、住民税の場合は5%が9%。これだけの差があるなら5年は保有しておかないと損だ。
償却の問題もある。法定耐用年数を過ぎた木造物件を購入した場合、減価償却は法定耐用年数×0.2となっており、木造住宅の場合は4年。その2つの問題から4年で考え始めることになるわけだ。
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