「戸建て売却益で1000万円稼ぐ人」の不動産投資術 都内の「お宝物件」をどうやって見つけるのか

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1300万円を860万円にという指値ですら素人はどきどきするが、最近はワンチャンスを狙って高値で売りに出している例が多く、言われた額、勧められた物件をそのまま買うと高い買い物となる。収益が上がる額で買えなければすっぱり諦めるのも大事なのだ。

希望価格を出す前提としても、そもそも都内で1000万円以下で買える戸建てがあるのか。

「今、賃料10万円で貸している北千住の一戸建ては1000万円以下で買ったもの。探せばあります」(渡辺さん)

15%で回っているとすると800万円という計算だが、探し方にはコツがある。投資物件を探すなら投資物件サイトで探すと考えがちだが、渡辺さんが主に見ているのは一般向けの不動産情報サイト。それも思いついた時にたまに見るのではなく、ずっと見続ける。そうすることで普通の物件の中に紛れているお宝を見抜く目を養うのである。

不動産投資のコツは「ギャップを見つけること」

不動産投資はギャップを見つけることで収益が上げる仕組みだ。分かりやすいギャップとしては家を買う人と家を借りる人の考え方の違いがある。

自宅として家を買いたい人は駅に近くても低地や路地に面した土地にはあまり興味を示さないため、価格は安く設定される。だが、部屋を借りる人、特に利便性を最優先する若い人は土地の条件の悪さは気にしない。高くても駅に近い便利な場所なら借りる。そこで駅周辺の条件の悪い土地には単身者向けのアパートが建つ。安く買えるところなのに高く貸せるからである。

同様に昔は一般的だった部屋数の多い、今では広すぎて使えない一戸建てや、再建築不可などといった不利な条件、つまりギャップのある建物もシェアハウスとして改装したり、運営できるノウハウがあれば安い一戸建てを利用して収益を上げることができる。

今回話を聞いた渡辺さんのシェアハウスもそんな物件のひとつ。もともとは道路のどん詰まりにある再建築不可、築50年の工場+住宅で、工場は賃料15万円で貸し出されていた。それを1000万円ほどで購入し、改装してシェアハウスにした。かかった費用は2000万円ほど。満室時の毎月の家賃は70万円。計算できる人なら利回りはご自身で計算していただきたい。見る目があれば収益は上げられるのだ。

渡辺さんが所有するシェアアウス(写真:筆者撮影)
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