この暑さいつまで続くのか?秋の天気を徹底解説 2023年は気象庁が統計を始めて「最も暑い夏」に

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ことわざ「女心と秋の空」をはじめ、秋は空模様が変わりやすい印象がありませんか? この理由は台風、秋雨前線、移動性高気圧です。

台風の発生数、日本への接近数、上陸数は、7月から10月にかけて多くなります。台風の日本への接近数が最も多いのは8月、次いで9月です。そして、上陸数が最も多いのは9月です。10月は台風の発生数、接近数、上陸数、いずれも7月から9月と比べると少ないです。

台風の平年値(出典:気象庁ホームページ)

しかし、2004年に100人近い死者を出した台風23号、2017年に「超大型」で静岡県に上陸した台風21号、2019年の「令和元年 東日本台風」のように、10月も台風が大きな被害をもたらすことがあります。

秋の台風は特に大雨になりやすいのは、秋雨前線が関係しています。日本付近に秋雨前線が停滞しているときに台風が近づくと、湿った空気が大量に流れ込むので、秋雨前線の活動が活発になります。台風が近づく前から大雨になり、台風本体の発達した雨雲でさらに降水量が多くなるのです。

2019年10月12日の天気図(出典:weathermap)

こちらは、「令和元年 東日本台風」が静岡県の伊豆半島に上陸した2019年10月12日の天気図です。秋雨前線と台風によって記録的な大雨となり、10月13日に長野県の千曲川が決壊しました。

秋雨前線が夏と秋の境界線

秋雨前線は、夏と秋の空気の境界線と考えていただくと、イメージしやすいと思います。秋雨前線の北側になると気温は低く、南側では気温が高くなります。また、大陸から移動してくる高気圧に覆われると、爽やかな秋晴れになります。ただ、移動性の高気圧で数日で離れていってしまうので、長続きしません。

台風が近づくと蒸し暑くなり、高気圧に覆われると湿度が低くカラッと感じられるため、天気や気温だけでなく、体感も変わりやすいのが秋です。

夏から秋にかけて、だるい・疲れやすいといった体調不良や食欲がなくなる「秋バテ」は、こうした変わりやすい天気、気温、体感が影響します。こまめに天気予報を確認して服装を選んだり、ゆっくりお風呂に入ったりして、秋バテにならないようにお気をつけください。

久保井 朝美 キャスター、気象予報士、防災士

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くぼい あさみ / Asami Kuboi

愛知県岡崎市出身。9月20日(空の日)生まれ。NHK総合「サタデーウオッチ9」気象キャスター。父の影響でよく登山をしていて、天気に興味を持つ。農業の経験や番組で気象情報を担当したことから、気象と生活・経済との密接な関係を実感し、気象予報士の資格を取得。子どもからお年寄りまで分かりやすく、命を守る情報を伝えるため、テレビに出演、全国で講演を行なっている。趣味は、お城めぐり、アニメ。2021年「美人すぎるお天気キャスターランキング」1位に選出。

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