75点を取った後に「伸びる子」「伸びない子」決定差 大人になって「頭がいい」と言われる人の本質

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勉強で伸び悩む人の特徴の一つに、「答えが合っているか・間違っているかしか注目しない」という点が挙げられます。勉強して成果が出ないのは、本当は理解していないのに「わかったつもり」になっていることが原因かもしれません。

「できる」と「わかる」は、似ているようで違います。例えば、テストで運よく満点を取ったとします。もし答え合わせをしただけで終わってしまったら、偶然できただけなのに“わかったつもり”になって満足してしまう可能性もあります。

仕事ができる=勉強ができるということではない

このような人は、時間を置いて同じ問題を解くと間違えたり、ちょっとした応用問題が出されるとつまずいてしまったりすることが少なくありません。そう、「できる」という結果ばかりに目を向けて過程を重視していないからです。

学びで大切なのは、「本当にわかったか?」「納得したか?」に気持ちを集中すること。「できる」ではなく、「わかる」というプロセスにこそこだわるべきなのです。

『勉強の面白さってなんだろう 君たちに伝えたい学びが楽しくなるヒント』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

以上この記事では、小中学生向けの児童書をもとに、「大人こそ再認識したい」勉強にまつわるトピックスをざっと解説しました。子どもの頃から私たちは、「勉強ができる人は頭がいい人」と思い込み、それを根拠に過剰なほどの劣等感や優越感を抱き続けてはいないでしょうか。そして、子を持つ親は、そんな視点をわが子に知らず知らずのうちに引き継いでしまっているかもしれません。

社会に出ている私たち大人は、「仕事ができるということは、勉強ができるということとは違う」ということを、おそらく身に染みて理解しているはずです。そして、社会を生き抜くために必要なのは、自分自身で考え、最適解を出していくことだということも、わかっているでしょう。だからこそ、社会で自分の力を発揮するのに必要な「考える力」を養うためにも、その基礎となる「勉強」は大事なことなのだということを、まずは私たち大人自身があらためて再認識すべきではないでしょうか。

高濱 正伸 花まる学習会代表

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たかはま まさのぶ / Masanobu Takahama

1959年熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学に入学。1990年同大学院修士課程修了後、1993年に小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立。父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。「情熱大陸」(毎日放送/TBS系)、「カンブリア宮殿」「ソロモン流」(テレビ東京)など、数多くのテレビ番組に紹介されて大反響。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)などの雑誌にも多数登場している。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』(廣済堂出版)など、著書多数。

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