損失計上には別の要因もある。売却に伴ってセブン&アイが損失補填を余儀なくされたことだ。損失補填のほとんどは前述した債権放棄額916億円だが、もう一つの理由がある。
テナントの移転・撤退に伴う「クリーニング費用」の負担だ。今後、池袋西武にはフォートレスと組む家電量販店の「ヨドバシカメラ」が出店する計画だ。そうなれば、既存のテナントは移転を強いられ、場合によっては撤退を余儀なくされる。
まだ移転が決まっていない一部の高級ブランドなど、今後新たに必要となる移転費用は新オーナーであるフォートレスが負担するが、「すでに大枠が決まっているテナントの移動については、セブン&アイ側が負担する」(ディール関係者)。損失補填の中には、このクリーニング費用の負担が含まれている模様だ。
売却スキームではヨドバシの入居によって多くのテナントの移転・撤退が見込まれ、その費用を誰が負担するかも1つの焦点だった。セブン&アイの実際の負担額は非公開だが、「今回で株式譲渡にかかわる損失は出しつくした」(セブン&アイ広報担当者)。売却後の追加負担も懸念されていたが、それは回避されたようだ。
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