ミスドの激レア「幻のファンシードーナツ」の正体 不定期に現れるドーナツの知られざる役割

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2023年6月14日から販売している、ポン・デ・リング20周年を記念した「白いポン・デ・リング」シリーズの原材料が使われている。

ファンシードーナツ
この夏限定販売された「白いポン・デ・カスターアーモンド」(左)に使われたアーモンドが店で余った場合に作られるファンシードーナツ「アーモンドハニーディップ」(筆者撮影)

「白いポン・デ・白あん」に氷餅をイメージして使われたトッピングをのせた「キラキラチョコファッション」、限定材料だった白あんと定番のホイップクリームを詰めた「黒糖白あんホイップ」などだ。特別、試食させていただいたが、いずれも美味しかった。

食品ロス削減活動の一環で生まれた

ファンシードーナツが生まれた背景には、ミスタードーナツが取り組む環境保全活動がある。事業創業50周年にあたる2020年には「エコとりくむド」というキーフレーズを掲げ、環境活動をさらに進化させた。

ミスタードーナツを運営するダスキンも、2030年までに環境保全のための目標を掲げている。食品ロス削減活動はその一環だ。ファンシードーナツ以外にも、どうしても閉店後に残ってしまったドーナツを、飼料としてリサイクルする活動も進んでいる(2023年4月現在、ドーナツリサイクル展開店舗は885店)。

ミスタードーナツはプラスチック素材削減を進めている(筆者撮影)

プラスチック素材の削減にも力を入れている。ストローや箸の包みを順次プラスチック素材から紙素材に変え、ドーナツ用のスティックもプラスチックから木素材に変えた。レジ袋を削減し、ストローとレジ袋は、環境に配慮したバイオマスプラスチック原料を25%配合、「白いポン・デ・リング」の紙パッケージには「FSC認証」の包材が使われた。

袋の端を折り曲げて提供(筆者撮影)

「紙袋をテープで止めない取り組みも最近始めたんですよ」と加藤氏。ロゴ入りオリジナルテープの使用を順次ストップし、紙袋は縁を折り曲げる。

ファンにとっては魅力あるファンシードーナツだが、各ショップで原材料が余ったときにだけ作られるので、全国で1店も販売しないこともある。そのため「どうしても食べたい」「これからも作ってほしい」といった要望には、残念ながら応えることができないそうだ。

ファンシードーナツの名前や詳細は、写真は掲載されないが、公式サイトに明記されている。もしショーケースで見つけたらミスタードーナツの食品ロス削減のための品であると理解し、一期一会を楽しみ、美味しく味わおう。

市川 歩美 チョコレートジャーナリスト/ジャーナリスト

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いちかわ あゆみ / Ayumi Ichikawa

大学卒業後、民間放送局に入社、その後NHKで、長年ディレクターとして番組企画・制作に携わる。現在はチョコレートを主なテーマとするジャーナリストとして、日本国内、カカオ生産地などの各地を取材し、情報サイト、TV、ラジオなど多くのメディアで情報発信をしている。チョコレートの魅力を広く伝えるコーディネーターとしても活動。商品の監修や開発にもかかわる。

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