有料会員限定

公安のでっち上げを起訴した東京地検のずさん 初公判4日前に起訴取り消した大川化工機事件

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
拡大
縮小

警視庁は事実を捏造してまで会社経営陣を逮捕。東京地検は警視庁の判断を追認するだけだった。 

警視庁本部庁舎の外観
(写真:MARODG / PIXTA)

特集「弁護士・裁判官・検察官」の他の記事を読む

司法試験の受験者数が激減。弁護士は「食えない」「AIが代替する」と敬遠され、若き裁判官の離職が相次ぎ、検察官は供述をねじ曲げるーー。『週刊東洋経済』の9月4日(月)発売号(9月9日号)では、「弁護士・裁判官・検察官」を特集。実態とともに、司法インフラの瓦解の足音をお伝えする。
週刊東洋経済 2023年9/9特大号(弁護士・裁判官・検察官)[雑誌]
『週刊東洋経済 2023年9/9特大号(弁護士・裁判官・検察官)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

公安警察のでっち上げなのに、検察は何の疑いを持つことなく、会社経営者ら3人を起訴。起訴後に11カ月間勾留しておきながら、初公判の4日前に起訴を取り消す──大川原化工機事件における東京地検のずさんさはほかに類を見ない。

「噴霧乾燥機は炭疽菌など生物兵器の製造装置に転用できるかもしれない」。経済産業省系の一般財団法人・安全保障貿易情報センターの講習会から帰ってきた警視庁職員が、公安部外事課の宮園勇人警部(肩書は当時。以下同じ)にそんな話をした。2017年3月のことだ。

噴霧乾燥機はスプレードライヤとも呼ばれる。コーヒーやスープなどの液体を装置内で霧状に噴き出し、高熱を加えて乾燥させ、粉末にする特殊な機械だ。

標的になった大川原化工機

次ページ無理筋だと気づいていた捜査官も
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
弁護士・裁判官・検察官
「食える?食えない?」揺らぐ文系エリート
法務省が弁護士法との関係でガイドライン公表
受検者の2人に1人が合格する時代に突入
学部の専攻は薬学、金属工学、航空宇宙、農学
20代、30代、40代弁護士「誌上覆面」座談会
有力弁護士2人に聞く理想の弁護士像
専門職の判断が不可欠、効率化の有力ツールに
弁護士の出世パターンとお金のリアル
弁護士とは収入格差。職場環境にも恵まれず
「ヒラメ裁判官」はどうして生まれるのか
裁判官の出世パターンとお金のリアル
初公判4日前に起訴取り消した大川化工機事件
無罪確定のプレサンスコーポレーション事件
「市場の番人」の監視委員会の看板が泣く
検察官の出世パターンとお金のリアル 
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内