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司法試験の受験者は激減、岐路に立つ法科大学院 受検者の2人に1人が合格する時代に突入

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入学定員削減や、学部と大学院を最短5年で終える「法曹コース」の開設などで改善の兆しが出てきたロースクールだが、油断は禁物だ。

六法全書と弁護士バッジ
2023年からロースクール在学中の司法試験受験が可能になった(写真:beauty-box / PIXTA)

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司法試験の受験者数が激減。弁護士は「食えない」「AIが代替する」と敬遠され、若き裁判官の離職が相次ぎ、検察官は供述をねじ曲げるーー。『週刊東洋経済』の9月4日(月)発売号(9月9日号)では、「弁護士・裁判官・検察官」を特集。実態とともに、司法インフラの瓦解の足音をお伝えする。
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法科大学院(ロースクール)が開設されて20年目。そのロースクールを柱とする法曹養成制度が岐路に立たされている。

合格率3%程度と超難関だった旧司法試験に対して、新司法試験は合格率45.5%(2022年)と半数近くが合格する試験となっている。

ロースクールの教授や弁護士からは「かつては合格できないレベルの人が受かるようになり、下位合格者の中にはひどい準備書面を提出する人も」という声も聞かれる。なぜこのような事態を招いたのか。

00年代初頭、政府は法曹需要が量的に増大、質的に多様化・高度化していくとの見通しを示した。法曹に必要な学識と応用能力、実務の基礎的素養を養うためのロースクールが設けられ、10年までに年間3000人の司法試験合格を目指す方針が掲げられた。

ロースクール修了生の合格率は2割台まで下降

法学の既修者は原則2年間、未修者は3年間ロースクールで学び、修了すれば新司法試験を5回まで受験できる。修了生の司法試験合格率は7〜8割と想定されていた。

新司法試験初年度の06年、修了生の合格率は48.3%だった。しかしその後はだんだん下降し、09年から19年までは2割台で推移。合格者数も08年に2000人を超えた後は、当初方針の3000人に達することがないまま、15年に1500人へと下方修正された。

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