理系出身で弁護士を志した理由、理系の素養が実務にどう生きるのか聞いた。
司法試験の受験者数が激減。弁護士は「食えない」「AIが代替する」と敬遠され、若き裁判官の離職が相次ぎ、検察官は供述をねじ曲げるーー。『週刊東洋経済』の9月4日(月)発売号(9月9日号)では、「弁護士・裁判官・検察官」を特集。実態とともに、司法インフラの瓦解の足音をお伝えする。
「文系エリートの頂点」「法学部出身」。弁護士に対し、多く抱かれるイメージではないか。ところが、理系出身で活躍する弁護士は意外といる。
東大薬学部卒、修士課程を休学し司法試験受験
大川原化工機事件の国家賠償訴訟で主任弁護人を務める高田剛弁護士(51)は、東京大学薬学部卒業。企業法務を主体にする和田倉門法律事務所の設立者だ。
高校生のときに大きな病気にかかったことで、薬剤の効果を最大限発揮させるための制御技術であるドラッグデリバリー・システムに興味を持ち、薬学部を選んだ。修士課程進学と研究室への配属が決まっていたが、「専門知識ばかりで視野が狭くなるのではないかと感じ、薬学とはまったく違うことをやろうと思った」と語る。
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