有力弁護士がどうやって現在の地位を築いたのかを聞いた。
司法試験の受験者数が激減。弁護士は「食えない」「AIが代替する」と敬遠され、若き裁判官の離職が相次ぎ、検察官は供述をねじ曲げるーー。『週刊東洋経済』の9月4日(月)発売号(9月9日号)では、「弁護士・裁判官・検察官」を特集。実態とともに、司法インフラの瓦解の足音をお伝えする。
司法修習の2年間、検察官にも裁判官にも誘われた。どちらも向いているな、と悩みに悩んだ。周囲は「任官してキャリアを積んで弁護士になったほうが有利」と勧めるが、それは検察庁や裁判所に失礼だと思った。
終了間際まで悩んで教官に就職のあっせんを頼んだ。「今ごろ決めるやつがいるか。いかにも遅い」とたしなめられつつ「紹介できるのは2つ。1つは下町の庶民的な事務所。もう1つは独禁法と知財の専門事務所だが、見たところ君は下町が向いている」と。
そのまま入ったら今ごろ町の相談役になっていただろうが、専門事務所の面接を受け、採用された。そこで4年間、びっちり鍛えられた。著名なカルテル事件が軒並み持ち込まれた。そのときの経験が今のベースになっている。私独自のクライアントになりたいという人が出てきて、事務所のパートナー先生たちから「独立しますか?」と。
法の支配を守りたい
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