有力弁護士がどうやって現在の地位を築いたのかを聞いた。
司法修習の2年間、検察官にも裁判官にも誘われた。どちらも向いているな、と悩みに悩んだ。周囲は「任官してキャリアを積んで弁護士になったほうが有利」と勧めるが、それは検察庁や裁判所に失礼だと思った。
終了間際まで悩んで教官に就職のあっせんを頼んだ。「今ごろ決めるやつがいるか。いかにも遅い」とたしなめられつつ「紹介できるのは2つ。1つは下町の庶民的な事務所。もう1つは独禁法と知財の専門事務所だが、見たところ君は下町が向いている」と。
そのまま入ったら今ごろ町の相談役になっていただろうが、専門事務所の面接を受け、採用された。そこで4年間、びっちり鍛えられた。著名なカルテル事件が軒並み持ち込まれた。そのときの経験が今のベースになっている。私独自のクライアントになりたいという人が出てきて、事務所のパートナー先生たちから「独立しますか?」と。

![週刊東洋経済 2023年9/9特大号(弁護士・裁判官・検察官)[雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51vKqtfEhRL._SL500_.jpg)


















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