日経平均が秋に本格上昇するためのカギは何か ジャクソンホール後のヤマ場は11月までに来る
実際、現在は前出のように、6月以降、米中対話が事実上活発になっているのも事実だ。この8月27~30日もジーナ・レモンド商務長官が中国を訪問、ハイテク分野(半導体・AIなど)を巡る対中輸出規制等について(BRICS首脳会議に出席した)王文濤商務相らと協議した。対抗措置の激しい応酬につながらないように対話ルートの確保をねらうのが目的だが、これで中国を訪問した閣僚の数は4人となった。
米中が対話を重ねているのは、中国景気の低迷も影響していると見られるが、やはりこのことはポジティブに評価すべきだろう。仮にもしAPECで米中首脳会談が実現すると決まれば、日米中3カ国はもちろん、世界経済にとって大きなプラスと見るべきだ。それは、日本株にとっても、ポジティブなイベントになる。
消えない中国リスク、今後は王穀氏の訪米が焦点に
ただし、中国に関わる地政学リスクは低下したわけではなく、予断を許さない状況が続く。その中で、次の注目点は、王穀共産党政治局員兼外相はいつ訪米(ワシントン)するかだ。これが、米中首脳会談実現を見極める大きなポイントになるだろう。
なぜなら、7月25日に中国外相の交代人事があったからだ。56歳の若さで2022年12月に就任したばかりの秦剛国務委員兼外相が就任7カ月で外相を解任され、王穀氏が共産党政治局員兼外相として就任したからだ。
すでに、7月31日、ダニエル・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)がワシントンで中国外務省北米大洋州局の楊濤局長と会談した際に、王穀共産党政治局員兼外相をワシントンに招待(時期は未定)すると伝えている。
私は、この約3カ月の米中高官などの会談を見ていて、光が見えてきたと思っている。はたして、11月15~17日のAPECで米中首脳会談が実現するのか。引き続き、期待をもって見守りたい。
(本記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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