心理的安全性というのは、いわゆる規範の枠の中にある言葉である。組織の中で活動する場合、1回ごとにその行動がよいのかどうかを確認するわけではない。その場の空気感や、暗黙的な、または意識的に作られたルールと照らし合わせて、その行動がどの程度妥当なのかを判断する。
個人の多様な考え方や価値観がある中で、規範には多くの人たちに、ある程度一貫性のある行動を取らせる機能がある。心理的安全性はそうした枠に入る1つの状態である。「この場所はいろいろと言っても大丈夫なんだ」との感覚が多くの人に共有されている。
心理的安全性が低いというのも、共有されている感覚である。「〇〇は言うべきではない」と悪い方向で共有されている。その場所のいちばん上の人が望んでいることだけを言うべきという判断である。その結果、多くの人たちが似通ったことを言うようになる。

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