大学ラグビー界で頂点に立ち続けた帝京大学ラグビー部。最強軍団確立までの試行錯誤。
9月開幕のラグビーワールドカップ フランス大会。日本代表には主将の姫野和樹選手や副主将の流大(ながれゆたか)選手など、数多くの帝京大学ラグビー部出身者がいる。彼らを育てたのが、帝京大学スポーツ局の岩出雅之局長である。ラグビー大学選手権で10度の優勝を果たした帝京大ラグビー部を監督として率いた人物だ。その最強軍団をまとめるカギが心理的安全性であった。
──監督就任時のラグビー部の状況はどうだったのでしょうか。
ラグビーという競技は体を痛めるし、しんどい。トレーニング段階から厳しい要素がいっぱいある。学生がそれを乗り越えるのは並大抵ではない。しかも、上級生、下級生のヒエラルキーが強く、典型的なトップダウン型。大学スポーツの体質そのものだった。
当時は80人くらいの集団で、これをどう変えていくか。「整えていく」という感覚が近い。伝統校に追いつき、追い越すにはどうしたらいいのか。彼らから学びながら、チームをつくりたかった。しかし、同じことをしていても勝てない。5年くらい経って、自分たちの文化が必要だと感じた。

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