次世代型路面電車「宇都宮LRT」鉄道との違いは? 近代的車両で新規開業、だが法律は大正生まれ

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軌道法が古くて今のLRTにはふさわしくないということがあったとしても、地域交通計画の中で路面電車を活用するときはバスその他の交通機関とも有機的に関係を構築しなければならないから、軌道法だけをLRTに合わせて変えたところであまり意味はない。

軌道運転規則の運転速度制限や車体長の制限は改正の余地がありそうだが、改正にはほかの法令との調整を含め大きなエネルギーも必要であるし、軌道法の規律を残しつつ、路面電車を地域交通に活用する場面で地域公共交通活性化再生法を用いるというのが座りがいいのだろう。

「地方都市の足」モデルとなるか

宇都宮のLRTも2016年に軌道運送高度化実施計画の認可を受け、宇都宮市や芳賀町の地域公共交通再編計画の構成要素として位置づけられている。

公設型上下分離方式(公設民営方式)が採用され、軌道整備事業者には宇都宮市と芳賀町とがなり、宇都宮ライトレール株式会社が軌道運送事業者となっている。車両は超低床車の新潟トランシス社製「HU300」17編成をそろえた。バスやデマンド交通との乗り換え場所であるトランジットセンターも19ある電停のうち5つに設けられる。

宇都宮駅から東方向への鉄軌道がこれまで存在しなかった宇都宮市・芳賀町にゼロから立ち上がったLRTが、新たな地域公共交通機関としてどれだけ効果をもたらすことができるか。地方都市における将来的な地域公共交通のあり方を示すよいモデルといえよう。

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小島 好己 翠光法律事務所弁護士

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こじま よしき / Yoshiki Kojima

1971年生まれ。1994年早稲田大学法学部卒業。2000年東京弁護士会登録。幼少のころから現在まで鉄道と広島カープに熱狂する毎日を送る。現在、弁護士の本業の傍ら、一般社団法人交通環境整備ネットワーク監事のほか、弁護士、検事、裁判官等で構成する法曹レールファンクラブの企画担当車掌を務める。

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