10両化は?武蔵野線「ちょっと気になる」疑問点 2023年で開業50年「謎の構造物」やダイヤの事情

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JR東日本に聞いてみると、「むさしの号・しもうさ号を増発するためには、武蔵野線の府中本町―西船橋(東京・海浜幕張)間を運転している列車をむさしの号・しもうさ号に変更する必要がございます。このため、武蔵野線の一部区間では列車本数が減少してしまうことや北朝霞方面と南越谷方面を直通でご利用になるお客さまの利便性が低下してしまいます。以上のことから現時点でのお客さまのご利用状況などを踏まえ、むさしの号・しもうさ号の増発や運転時間帯の拡大は検討しておりません。また、新たな直通ラインについても現段階では検討しておりません」とのことであった。

むさしの号増発が既存列車の置き換えでないとできないのは、貨物列車と線路を共用しているためであろう。

新幹線と交差していたかも?

番外編:成田新幹線との交差を想定した架道橋

武蔵野線建設時に並行して進められていた鉄道計画があった。現在の京葉線東京駅の位置から千葉ニュータウンを通り、成田空港に至る成田新幹線だ。この計画は頓挫し、東京駅のスペースは京葉線にあてがわれ、千葉ニュータウン付近の用地はソーラーパネルに使われ、成田空港付近の構造物は在来線と京成が使用している。これは幾度となく報道されている話だ。

だが成田新幹線計画の遺構は武蔵野線にもあった!それが西船橋駅から北西へ約1km半、中山競馬場近くにある橋だ。1車線の道路をまたいでいるが、その道路のためにしては不自然に長いこの架道橋。怪しい匂いしかしない。

武蔵野線 成田新幹線架道橋
成田新幹線を通すことを考慮して設けられたという架道橋(筆者撮影)

この橋について、2008年8月の『鉄道ファン』第568号「幻の成田新幹線をたどる」(草町義和氏著)によれば、「成田新幹線を下に通すことを考慮し、比較的スパンの長い鋼製の架道橋(小金線中山架道橋)が設けられている」とのことである。また、白土貞夫氏著の『ちばの鉄道一世紀』 によれば、1973年にこの交差部で工事が行われているのを発見した成田新幹線反対派住民団体が抗議活動を行っていたという。

今は単なる架道橋だが、もし新幹線が開業していれば、ここで武蔵野線と交差する姿が見られたということになる。

いかがだったであろうか。武蔵野線に対する疑問と謎、少しは解決の手助けになっただろうか。これからも運行計画や路線計画、土木構造物から見える謎について取り上げていきたい。

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北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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