米家電「シャークニンジャ」が繰り出す次の一手 大ヒットしたハンディークリーナーは模倣品が続出

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美容機器の世界市場規模は、2021年で約9.1兆円。2022年から2030年の年平均成長率は21%と試算されており、2030年には約50.1兆円に達すると見込まれている。世界的にみると期待されている成長分野だ(パノラマデータインサイト調べ。1ドル145円換算)。

国内ではヤーマン、パナソニック、MTGが強く、ドライヤーはダイソンも好評で根強い人気がある。新たに参入した美容分野で、シャークニンジャはこの波に乗りたいところだろう。

アタッチメントが豊富なユニークなドライヤー

シャークニンジャ「Shark FlexStyle」。ひねるとドライヤーになるユニークなギミック(筆者撮影)

美容機器に勢いがある中、本国アメリカで「Shark BEAUTY」ブランドを立ち上げ、2023年8月2日には日本でヘアドライヤー「Shark FlexStyle」(以下、FlexStyle)が発表された。

FlexStyleは多機能なドライヤーで、カールなどのヘアアレンジも簡単にできるスタイラーとしても使える。ひねると本体の先端が直角に曲がり、ドライヤーにもなるユニークな構造だ。このような形状に変わることで、後ろ髪のセットもしやすい。使わないときは本体がスティック状になるので、収納時はコンパクトだ。

特徴的なのは近づけるだけで髪が巻き付く「エアカーラー」などのアタッチメントが付属していること。温風が円柱に沿って流れるコアンダ効果で髪が自動的に巻き付く仕組みで、手軽に短時間でスタイリングできる。

髪が自動で巻き付くアタッチメント「エアカーラー」(筆者撮影)

コテやカールアイロンとは異なり、熱ではなく風の力で乾かすので濡れた状態でも使える。乾ききった髪に高温でスタイリングするよりもダメージが少なく、自然なカールで今風の垢抜けた雰囲気になる。

この「コアンダ効果」で思い出すのは、ダイソン「エアラップ マルチスタイラー」シリーズだ。すでに販売しており、初代から比べて改良を重ねている。FlexStyleの場合、右巻き用と左巻き用の2本が付属しており、使い分ける必要がある。これは、髪が巻かれる方向は一定で、風向きを変えられないためだ。

「エアラップ マルチスタイラー」の場合、カーラーは1本のみで、切り替えることで左右どちらも使えるようになっている。付け替える必要がない点は魅力だ。その点は、やはり先行して販売し、改良を続けている「エアラップ マルチスタイラー」のほうが使い勝手はよい。

アタッチメントが豊富。さまざまなスタイリングができる(筆者撮影)

一方、FlexStyleのロールブラシは天然の猪毛を採用している。くるくるドライヤーのように使えるアタッチメントで、猪毛のため、使えば使うほど髪にツヤが出る。同社によると、日本で販売しているFlexStyleは、先に海外で販売されている同製品よりも日本人の髪質に合わせて猪毛を増量しているという。

細やかな配慮はシャークニンジャの得意とするところで、ハンディークリーナーのように日本人の好みに合わせて今後も開発・改良をしていくことだろう。なお、予想実売価格は3万4980円前後で、競合のダイソン「エアラップ マルチスタイラー」シリーズ(直販価格4万4000円~)より価格は安い。コスパのよさでは「Shark FlexStyle」に軍配が上がる。

ハンディークリーナーは、新しい切り口と質感のよさで大ヒットに導いた実績があるが、急激に成長している美容機器分野でも頭角を現すのだろうか。注目が集まっている。

石井 和美 家電プロレビュアー

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いしい かずみ / Kazumi Ishii

白物家電を中心に製品レビューを得意とする。テストスペースとして茨城県守谷市に一戸建てタイプの「家電ラボ」を開設し、冷蔵庫や洗濯機など、大型家電のレビューも行っている。家電blog管理人。

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