アメリカンキャンパー「ソリス ポケット」の誘惑 老舗ウィネベーゴ最小といいつつ全長5.4m超!

拡大
縮小
展示車両の装備や価格
展示車両の装備や価格など(筆者撮影)

今回展示された2022年型ソリス ポケットは、ニートRVのショールームに展示されていた車両であることもあり、多少ディスカウントされており、価格(税込み)は1726万1200円(フロントキャブ・エアマットレスのオプション付き)。ちなみに、新車価格は1991万円だ。いずれにしろ、国産キャンピングカーであれば、マイクロバスをベースにし、より広い室内などを持つバスコン(バスコンバージョン)などの高級モデルも買える価格だ。

アメリカ文化への憧れがキーワード

ウィネベーゴのエンブレム
ウィネベーゴのエンブレム(筆者撮影)

ニートRVの担当者によれば、このモデルを購入する主なユーザーは「60代がメイン」。とくに昔からのキャンピングカー愛好家や、アメリカの文化やクルマに憧れを持つ層が多いという。そうしたユーザーには、やはり北米の老舗メーカーとして名高い「ウィネベーゴ」の名前は魅力的だ。また、フロントグリルにある大型の「RAM(ラム)」エンブレムも、アメ車のピックアップトラックで有名なブランドだけに、その筋の愛好家にはたまらないだろう。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

その昔、トヨタ製ピックアップの「ハイラックス」に乗っていた筆者も、ラムのトラックに憧れたひとりだったので、その気持ちは十分にわかる。そして、そんなコアなユーザーとっては、たとえ2000万円近い高価なモデルであっても、十分に「価値がある」と思えるのだろう。その証拠に、同じくニートRVによれば、多くがこのモデルを「指名買いする」のだという。

ウィネベーゴやラムといったメーカーやブランドの名前は、一般的に日本ではあまり知られていないのは確かだ。だが、価値観が多様化している現在、たとえ多くが知る商品やクルマだからといって、必ずしもビジネス的に成功しているとは限らない。少数派であっても「確実に購入する層やファン」がいる(そのぶん、価格はハイエンドだが)。その意味で、ソリス ポケットは、現代のトレンドにマッチした商品(キャンピングカー)のひとつだといえるかもしれない。

この記事の画像を見る(21枚)
平塚 直樹 ライター&エディター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT