最上もが「前向きなネガティブ」な彼女の生き方 ダメダメと言いながらやっぱり前に進んでいる
樋口:妻が1人目を産んだ時は、産後うつだったのもあって特にすごかった。僕にも問題はあるんだろうけど、なんでこんな些細なことで? って思うようなことですごく怒るんです。そして次の日も、その次の日も、ずっと怒ってる。出張先の京都や大阪からもずっと怒りの電話とメールがくるんですよ。
最上:産後うつは私もひどかったです。ずっとピリピリしてましたし、親に頼るのも申し訳ないからこそ、逆に冷たくしてしまったり。多分、奥様も怒りたかったわけじゃないと思います。
樋口:どれぐらい続いたんですか?
最上:1年くらいですね。本当に自分の感情をコントロールできないんですよ。訳もなくすごく落ち込むし、イライラするし、窮屈になってしまって、人に天邪鬼なことばかり言ってしまう。
樋口:う~ん。
最上:娘にとっても、一番近くにいる私がイライラしてたらよくないよな、と思って保育園に通うことを決意して、それはそれで風邪をもらってきたりも大変でしたが、2歳になってやっと私が落ち着いたなあという感じがあります。
「最上さんは前向きなネガティブ」(樋口)
樋口:色々話を伺いましたが、これだけアイドルで頭角を表して、ステージで歌って踊って、ファンからの喝采浴びてきたんだから、自己肯定できておかしくないと思いました。
最上:結局、捨てられたっていう気持ちがすごく強いんですよね。『ヤングジャンプ』の表紙になったり、知ってくれる人も増えたりして、自己肯定感は少しずつ上がっていたけど、それと同時に誹謗中傷は増えていましたし、未婚のシングルマザーを発表した時にもすごく叩かれて、やっぱりみんな私のこと嫌いなんじゃんって。ファンの人も「一生応援する!!」と言っていても、離れますしね(笑)。
樋口:気にしなくていいですよ。最上さんは前向きなネガティブだと思いました。“自分は愛される資格がない”って自分の弱さを認められるのが本当は一番強いですよ。
最上:ありがとうございます。私は、自分のせいにすることで自己防衛をしてしまうんです。「知ってるよ、やっぱりそうだよね」って。他人に期待すればするほど辛いですから。「人のせいにするな」って散々言われてきて、そういう棘のある言葉って本当に残るから、なんとか忘れるために今はゴミ箱に捨てる作業を日々繰り返しています。
樋口:うん……うん。