東京エレクトロン、日米統合「白紙」の誤算

米アプライドとの破談の裏に何があったか

何より両社が経営統合を目指した背景には、3Dメモリやロジックの微細化など、次世代半導体への移行につれて増加傾向にある、製造装置の開発費を抑制する目的があった。部品や設備の共通化を通じて、統合後の3年間で見込んでいたコスト削減は約5億ドル。こうしたメリットは水泡に帰すことになる。

ただ、開発費増加をもたらす次世代半導体への移行は同時に、装置市場拡大という追い風にもなりうる。日本半導体製造装置協会の需要予測によれば、2015年度の日本製装置の販売高は、3年連続プラスの1兆3635億円。東京エレクトロンも今期は、前期比27%増の営業増益見込みだ。「IoT(モノのインターネット)化によって、最先端半導体とともに、センサーなどの設備需要も増えている」(ガートナージャパンの小川貴史アナリスト)。

統合断念の発表と同じ4月27日、東京エレクトロンは好業績の見通しに加え、増配や上限1200億円の自社株買いなど、大幅な株主還元策も公表した。だが翌28日、同社の株価は14%も急落。投資家の疑念を前に同社はあらためて、単独での成長戦略を練り直す必要に迫られている。

「週刊東洋経済」2015年5月16日号<11日発売>「核心リポート02」を転載)

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