地球温暖化で「自殺と殺人が増加している」背景 気候変動はダイレクトに人間を破壊する

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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は昨年、気温上昇や強制避難、飢餓、経済・社会的損失が深刻な不安や悲しみ、ストレスにつながると警告した。同パネルの報告書は、子どもや思春期の若者、高齢者、慢性疾患を抱える人々はとりわけ危険な状態にあると警鐘を鳴らしている。

「暑さは極めて重大な影響をもたらす」と語るのは、メイヨークリニックの精神科医ロバート・ブライト医師だ。この夏、ブライト医師の住むアリゾナ州フェニックスでは、最高気温が43度を超える日が過去最長の31日間連続で続いた。

「人々は暑さに圧倒され、不安になっている」とブライト医師は言う。

今年の夏が最も涼しい夏になるかもしれない

科学者たちは、私たちの周囲で起こる環境の変化によって引き起こされる不安、恐怖、悲しみ、恥、罪悪感といった一連の感情を表現するために「climate distress(気候苦痛)」という言葉を生み出した。すでに不安を抱えている人やうつ状態にある人にとっては、対処が一層難しくなりそうだ。

「残念な事実だが、私たちのこれからの人生では、今年の夏が最も涼しい夏ということになるかもしれず、そう考えると不安になるものだ」。スタンフォード大学で気候変動とメンタルヘルスに関するプログラムの責任者を務めるブリット・レイ氏はそう語る。

人は困難な感情に対処するとき、認知行動療法や薬物療法などに頼ることが多い。だがレイ氏は、「気候変動の前には、こうした医療的介入は無意味なものになる」と指摘する。気候変動は単なる認識の問題ではなく、「実在する本物の脅威だからだ」。

(執筆:Apoorva Mandavilli記者)
(C)2023 The New York Times

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